石鹸や洗剤には、必ず成分表示を記載することが家庭用品品質表示法で
定められています。
最初に品名が表示され、界面活性剤中の石鹸(脂肪酸ナトリウム・カリウム)の配合率により、「洗濯用石けん」「洗濯用複合石けん」「洗濯用合成洗剤」に分けらています。
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そして「用途」(使用できる衣類の繊維)、「液性」、「成分」界面活性剤の占める割合も表示するように定められ、その後に実際に含まれる成分名が並んでいます。
液性の表示は、水素イオン濃度(pH)で下記の表示が定められています。
水素イオン濃度(pH) |
用語 |
11.0を超えるもの |
アルカリ性 |
11.0以下 8.0を越えるもの |
弱アルカリ性 |
8.0以下 6.0以上のもの |
中性 |
6.0未満 3.0以上のもの |
弱酸性 |
3.0未満のもの |
酸性 |
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■ 洗濯用石鹸の例
品 名 |
洗濯用石けん |
用 途 |
綿・麻・合成繊維用 |
液 性 |
弱アルカリ剤 |
成 分 |
純石けん分(61%、脂肪酸ナトリウム)
アルカリ剤(炭酸塩)水軟化剤 |
正 味 量 |
1.5s |
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石鹸は、脂肪酸ナトリウム(カリウム)の1種類が界面活性剤として上記の例では、61%配合されています。
その下のアルカリ剤は、衣類の汚れが酸性では落ちにくくなるのでビルダーとして炭酸塩が使われています。炭酸塩は、洗濯液が汚れで酸性に傾くのを防ぎアルカリ性を保働きがあります。
水軟化剤は、金属封鎖作用のある物質で水中の金属イオンが界面活性剤に吸着して洗浄効果が失われてしまうの防ぎます。主にゼオライト(アルミノ珪酸塩)が使われています。
■ 洗濯用合成洗剤の例
品 名 |
洗濯用合成洗剤 |
用 途 |
綿・麻・合成繊維用 |
液 性 |
弱アルカリ剤 |
成 分 |
界面活性剤(32%直鎖アルキルベンゼン系、アルファオレフィンスルホン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、水軟化剤(アルミノケイ酸塩)、アルカリ剤(炭酸塩)、酵素、蛍光増白剤、漂白剤 |
正 味 量 |
1.5s |
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界面活性剤は32%で直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)などは、界面活性剤の名称。
その後に成分は、洗浄助剤のビルダー水軟化剤、アルカリ剤と続き、酵素、蛍光増白剤 、漂白剤と続いて記入されています。
■ 洗濯用複合石けん
品 名 |
洗濯用複合石けん |
用 途 |
綿・麻・合成繊維用 |
液 性 |
弱アリカリ性 |
成 分 |
界面活性剤〔39,5%、純石けん分(32,2%、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム)純石けん分以外の界面活性剤(9%ポリオキシエチレンアルキルエーテル)〕、アルカリ剤(炭酸塩、けい酸塩)、水軟化剤(アルミノけい酸塩)、金属イオン封鎖剤、酵素 |
正 味 量 |
1.25s |
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石けんの欠点を改良するために1975年に登場したものが「複合石鹸」です。
上記の例では、界面活性剤39.5%の内の32.2%が純石けん分で、石鹸以外の界面活性剤が9%配合されています。
参考文献 洗剤と洗浄の科学 中西 茂子 著 コロナ出版 石鹸・洗剤100の知識 大巻健男 東京書籍 |
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