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                        | ビルダーとは? 
 ビルダー自身は界面活性剤のような働きを持たないが界面活性剤の働きを助ける役割をします。つまり界面活性剤と一緒に使う事で、洗浄力を大きく高める働きがあり、仮に界面活性剤の濃度が低くても効果を発揮する力を持ちます。このような効果をプラスの相乗効果といいます。そしてこのようなビルダーの効果としては、以下のような「アルカリ緩衝作用」「分散作用」「金属封鎖作用」の3つの効果があります。
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                        | アルカリ緩衝作用 
 汚れはアルカリ性で落ちやすいのです。しかし汚れは酸性のものが多く、洗浄時に、その汚れ(酸性)が多い場合は洗浄液がどんどん酸性に傾いてしまう可能性が出てきます。そこで、最後まで洗濯液をアルカリ性に保つ働きを持つ効果を持ちます。また、アルカリ性が高くなりすぎない働きもします。
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                        | 分散作用 
 固体粒子の汚れを細かい粒子に分散して、固まりの状態から細かくすることで洗浄効果を高める働きを持つこと。
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                        | 金属封鎖作用(キレート作用) 
 汚れの中に含まれている金属イオンのカルシウム、マグネシウム、鉄などが汚れ落としの邪魔をするので、ビルダー自身の分子の中に取り込んで邪魔をさせないようにする働きを持つこと。イメージとしてはカニがハサミで物を掴むように金属イオンをはさみこんでいるように考えられています。
 
 |  |  これらの3つの作用が一緒になって総合的に働いたとき、最も効果が大きく発揮します。
 
 
 
 
 
 
| 炭酸塩 | アルカリが強く、アルカリ作用の汚れ落しに効果がある 
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| ケイ酸塩 | 炭酸塩よりアルカリは弱いが、金属封鎖作用が強い 
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| ポリリン酸塩 | 金属封鎖作用、アルカリ緩衝作用、分散作用を合わせてもつ非常に優れたビルダーだが、リン成分が水質汚染の原因になるため現在は、使われていない。 
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| アルミノケイ酸塩 (A型ゼオライト)
 | 水に溶けない白色の結晶。ポリリン酸塩より効果は劣るが、その代替としてほとんどの洗剤に配合されている。 
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| 硫酸塩 | アルカリ緩衝作用は無いが、界面活性剤を汚れに吸着する働きをする 
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| カルボキシメチルセルロース (CMC)
 | 水中では(−)の電気をもち、繊維や汚れの周囲に吸着し〈−)の電気をもった膜でおおう。繊維も汚れも(−)の電気どうしで反発し、再汚染防止につながる。 
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 ←左の「再汚染防止図」は、上記のビルダーの種類にある「カルボキシメチルセルロース」の水中のマイナスの電気を持ち、繊維や汚れの周囲に付着したマイナスの電気を持った膜で覆った様子を表しています。
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                        | CMCの再汚染防止図 |  |  
 
 
 
 
 
                        | 再汚染とは、洗濯で落ちた汚れが再び衣類に付着することを言います。この再汚染を防ぐ為にビルダーの効果が必要となって来ます。また洗濯のやり方自身も大切で、汚れた洗濯液でいつまでも洗っていると再汚染しやすくなるので注意する事。右の図はその関係性を記したものです。 |  |  
                        | 洗浄時の汚れ落ちと再汚染の関係 |  
                        | 再汚染とはつまり、汚れた洗浄液で洗っていると、再汚染(一度離れた汚れが再び衣類に付着すること)しやすくなることで、綿や麻などのセルロース繊維に比べ、合成繊維は、再汚染しやすいので注意が必要。 また、洗剤が存在していない「すすぎ」の段階で再汚染は起きやすいので、出来る限り綺麗な水ですすぎは行う事が必要です。
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