衣類の色に悪影響を与える要因は数多くあります。その代表的なものとして日光や紫外線の影響、汗や水、洗濯での影響、摩擦などの物理的要因などが挙げられます。
■ 日光の影響
衣類を野外での着用や洗濯後の干し方などで太陽光線の紫外線の影響で染料が分解して変退色(変色・脱色)を起こします。 |
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紫外線の影響は、真夏の直射日光だけでなく、曇り日でも変退色する可能性は十分にあるので、洗濯後の干す場所には注意が必要です。また、蛍光灯などの影響でも変退色は起こります。
■ 洗濯の影響
家庭洗濯をすることにより、衣類の色が落ち退色したり,染料が流れでて他の衣類や白い部分を汚すことがあります。
洗濯をする前には、取り扱い絵表示の確認や洗濯物の選り分け、使用する洗剤の種類やpH、漂白剤の種類や有無、洗濯水の温度や洗濯時間などよって大きく影響は異なります。 |
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■ 汗の影響
汗は、無色透明で無臭なのですが、汗と一緒に分泌される成分が空気中の酸素によって酸化されて黄色く変色を起こしたり変退色を起こします。
汗が付着した衣類は、衣類に悪影響を起こす前に、出来るだけ早く洗うことがとっても大切です。
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■ 水の影響
衣類が水に濡れて放置された場合に、水の影響で変退色を起こしたり、色が滲み出たりすることがあります。
また、洗濯時にも水道水の中の微量の塩素で、変退色を起こす場合があります。 |
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■ 摩擦による影響
衣類の白い布の部分と衣類の色物部分などが摩擦した場合に色物の染料が白布部分に移ることがあります。
ベルトやカバンのヒモ部分などからの移染がこの例です。
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その他にドライクリーニング溶剤、酸化窒素ガス、熱など要因があります。
また、日光にほ強くても、洗たくには弱いなど1つ1つの条件によって染色堅ろうは、異なります。
衣類の染色は、着用や洗濯、クリーニングなどの取り扱いによって、いろいろな作用を受けます。 その結果、衣類の色が変化したり、にじんだり、他の衣類に色が移ったりして、衣類としての品質を阻害することになります。
染色堅ろう度は、衣類の染色のいろいろな条件に対して、どの程度の耐久性をしめすかの度合いをいいます。 |
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染色堅ろう度の判定は、種目別に測定方法が、JIS(日本工業規格)によって定められています。
等級は強(5級)から弱(1級)までで、中間段階(例:3−4級)も含め、9段階に分類して表示します。
* 等級が大きいほど染色堅ろう度は強く、低いほど弱い |
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販売されている衣類には、染色堅ろう度が強いものから弱いものまでさまざまで、染色堅ろう度の強い弱いは、衣類の価格に関係なく、繊維や染料、染色方法によって変わります。
また、一部の海外の高級ブランドの衣類は、染色堅ろう度が弱い衣類が多いです。
参考文献 ・よくわかるクリーニング講座 ERC出版 (財)全国生活衛生営業指導センター編著 ・繊維製品の基礎知識 (社)日本衣料管理協会 ・繊維商品めんてなんす研究会 基礎化テキスト |
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