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【状況】
購入後、3回着用したところ、汗のために脇の下部分が色泣きをした。
クリーニング店に持っていき相談をしましたが、直らないと断られた。
商品名:ブラウス 素材:綿100%
【現象】
両脇の下部に、青色プリントからの色泣きが確認できました。
【調査内容】
@ 着眼点
汗による汚染(移染)であるため、染色堅牢度に注目しました。また、汚染の状態が染料のブリードであるため、湿摩擦堅牢度の低さによる汚染の可能性は少ないと判断できます。
上記ののことから今回の苦情品は、日光と汗による複合的な変退色と推察されます。
A 同種新品生地による染色堅牢度試験結果
JIS試験方法 |
変退色 |
汚染 |
洗濯 |
L 0844(A−1号) |
5 |
5 |
摩擦(乾) |
L 0849(U型) |
− |
5 |
摩擦(湿) |
− |
4−5 |
水 |
L 0846 |
5 |
5 |
汗(酸性) |
L 0848 |
5 |
4−5 |
汗(アルカリ性) |
5 |
4 |
*染色堅牢度の等級は、5級(強)〜1級(弱)までで、中間段階(例3−4級)も含めて、 9段階に分類して表示します。
B 分析
大丸洗で再現試験をした結果、プリント生地の白場部分に著しく色泣きが見られました。
水が生地を濡らしながら移動し、それにともない染料もブリードします。染料が親和性の小さい反応染料のため、色泣きが著しく現れました。対策として、プリント配合生地などに使う染料の選択が重要であるが、充分なソーピングとフィックス処理によって色泣きを防ぐことは可能です。
また、クリーニング店は、直らないと言っているが綿のプリントでは反応染料を使用していることが多く、その場合には収縮に問題が無ければ、修復できる可能性は高いです。今回の苦情品は、染色工程のソーピング不足などやクリーニング店の技術不足にも問題があるものと判断できます。
「参考」
社会法人日本衣料管理協会 繊維製品の苦情処理技術ガイド
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