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家庭で普通に洗濯しているだけなのに、白っぽく変化してしまったらどうしますか?こんな場合は何が原因なのでしょうか?家庭洗濯で誰にでも起きうる事例を、実例とともに紹介してみましょう。
【状況】
衣類は、淡いベージュのT−シャツ。約2日間着用した後に家庭洗濯したところ、T−シャツが部分的に白っぽく変色したと言った事例。
商品名:T−シャツ
素 材:綿100%
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【現象】
メーカーに保管している同一ロットの保管見本布の色と比較したところ、地色の淡いベージュ色が全面に白く変色し、前身ごろ部分にシミ状の変色が認められました。
【調査内容】
@外観から見て、この変色の原因として、染色堅牢度が著しく低いか、洗剤中の蛍光剤の付着が原因と推察されます。
Aまず、最初の調査の結果を見てみると、保管見本の染色堅牢度をテストした結果、染色堅牢度は問題がないことが下記のテスト結果から判断できました。。
JIS試験方法 |
染色堅牢度 |
耐光 |
L 0842 |
4 |
汗(酸性) |
L 0848 |
5 |
汗(アルカリ) |
5 |
洗濯 |
L 0844(A−2号) |
5 |
*染色堅牢度の等級は、5級(強)〜1級(弱)までで、中間段階(例3−4級)も含めて、
9段階に分類して表示します。
B蛍光剤付着の確認をするためにブラックライトによる照射試験を行います。
その結果、衣類全面にわたって、淡いまだら状の蛍光が認められました。前身ごろ部分が、シミ状の強い蛍光を発しています。
C保管見本での再現試験
市販の合成洗剤(弱アルカリ、蛍光剤配合)を用い、JIS L 0217 に準じて洗濯試験を行い、結果、試験布が調査依頼品と同じ状態が再現できました。
@ 衣類自体の堅牢度は、一般水準以上の値を有し、これが事故原因だとは考えられない。
A ブラックライト照射試験で蛍光が認められ、再現試験で同様の再現色を得たことにより、この事故原因は、使用した洗剤中の蛍光剤がムラ付きしたものと思われます。
使用した洗剤を衣類の上に直接投入したため、その部分に洗剤が高濃度に付着し、ムラ付きや部分的なシミ状の変色が生じたものと推定されます。
生成りや、ベージュ、アイボリー、パステル調の衣類を蛍光剤配合の洗剤で洗濯した場合、このような変色事故が発生しやすくなります。このような衣類に関しては、無蛍光剤の洗剤で洗濯する必要があり、取り扱い絵表示などでも付記表示による注意を促すことも必要だと考えられます。
「参考」
社会法人日本衣料管理協会 繊維製品の苦情処理技術ガイド
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