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 汚れの分類

汚れやシミを分類すると、「水溶性のシミ」「油性のシミ」「不溶性のシミ」の3つに分類されることが一般的です。
この3つの分け方はシンプルで良い言う長所がありますが、シミの性質をより具体的に見た場合、シミの性質は7つに分類した方がより分かりやすいので、当サイトでは7つの性質で分類して説明していきます。
例えば、一般的にはシミの構造を説明する際、右の図のように色素のシミの上にタンニンやタンパク質、水性のシミ、そして油性のシミといった図式で説明されることが多く、シミの種類としては「水性のシミ」「油性のシミ」、そしてそれ以外を「不溶性のシミ」と表現されていることが多いですね。
これらの構造はシミ抜きをする際に油性のシミ抜きからした方が効果的と言った手順から説明になっいるものであって、シミそのものの構造としては、実際には様々なシミが合わさった状態になっているのが正しいと言えるでしょう。

要するに「シミ」について考える場合、シミの中には様々な性質が合わさった状態になっていると考えられ「このシミは水溶性のシミ!」「これは油性のシミ!」と断定するのは実は難しいのです。
簡単な例で説明すると、コーヒーのシミは「水性のシミ」に分類されるケースが多いと思います。ところが実際は色素の要素を強く持っているので、これを単に1つの「水性のシミ」と決めてしまうのも間違いではありませんが、とってもアバウトな感じも否めません。

また他の事例でも説明すると、例えばカレーが衣類についてしまった場合、このシミの中には「水性のシミ」と「油性のシミ(お肉の脂などによる)」に加えて、カレーの黄色を出す香辛料による「色素のシミ」、また頑固な「漂白のシミ」など、様々な要素が混ざり合っています。要するに一つのシミの中には複数の種類の性質を持つシミが混ざり合った状態と言えるでしょう。



シミを分類する場合は一般的に言われている
「水溶性のシミ」「油性のシミ」「不溶性のシミ」の3種類に加えて、「樹脂のシミ」「色素のシミ」「タンパクのシミ」「漂白のシミ」を加えて考えると、効果的に考えることが出来、より分かりやすくなります。
それでは、以下の7つのシミの性質を紹介します。



@水性のシミ
水に溶けやすいタイプのシミ。水洗いだけで落ちる事も多く、台所用洗剤を使うと殆ど落ちます。家庭で簡単に落とせるケースが多いが、時間が経つと酸化して「漂白のシミ」に変わります。
水溶性のシミ

A油性のシミ
油に溶けやすいタイプのシミ。水洗いだけでは落ちないことが多いですが、台所用洗剤やクレンジングオイルを使うと落とすことが出来ることも。時間が経つと酸化して「漂白のシミ」に変わります。 油性のシミ

B不溶性のシミ
水にも油にも溶けないタイプのシミ。家庭で落とすのは難しい場合が多く、シミ抜きをする場合は、手もみ洗いや歯ブラシで擦るなどの物理的な力を加えるのが効果的です。 不溶性のシミ

C樹脂のシミ
油性のシミの中でも特にガンコな塗料や接着剤、強力な機械油などによるシミ。ついてすぐなら家庭でもシミを落とせる場合がありますが、完全に乾いてしまった場合は困難です。技術力あるクリーニング店に相談しましょう。
樹脂のシミ

D色素のシミ
色の濃い食品やマーカー、インクなどに含まれています。家庭でのシミ抜きとしては難しい部類で、アルカリを加えた漂白処理などが必要な場合があります。カレーや紅茶、コーヒーなどのシミも色素の要素が強いです。
色素のシミ

Eタンパクのシミ
血液や汗などの体外分泌物や、肉や卵などの動物性食品のシミ。カビの原因になる他、時間が経過したり加熱したりすると「漂白のシミ」や「不溶性のシミ」に変わり、家庭で落とすのはまず困難になります。
タンパクのシミ

F漂白のシミ
「水溶性のシミ」や「油性のシミ」などが酸化して変質したガンコなシミなど、漂白の処理を必要とするシミ。黄ばみや色移りしたシミなども含まれます。
漂白のシミ




 参考文献
 ・『洗剤と洗浄の科学』 中西 茂子 著 コロナ出版
 ・『石鹸・洗剤100の知識』 大巻健男 著  東京書籍
 ・『被服整理学』 中西茂子 岩崎芳枝 斉藤昌子 阿部幸子 増子富美 共著 日本女子大学家政学シリーズ


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