衣類の仕上げ(アイロン・プレス)方法は、クリーニング店によって大きく違います。
仕上げ方法の違いで生産コストや品質に大きな差がでるからです。
【トンネル(自動仕上げ機)仕上げ】
トンネル(自動仕上げ機)仕上げとは?
簡単に言えば、自動仕上げ機のことです。
低価格の大型クリーニング工場で採用されている場合が多いのが、
このトンネル仕上げ機です。
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下記の図のように
トンネル(自動仕上げ機)に衣類がコンベアーで自動的に入ると衣類のシワを伸ばすために、前後から蒸気が出て、衣類のシワを伸ばします。その後、冷風で伸びたシワを固定します。この工程を自動的に行います。
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トンネル仕上げのメリットは、処理スピードが速いく生産性が高いのが最大のメリットですが、衣類の種類や状況により、シワが伸びないデメリットもあります。
ウールやポリエステルなどは、比較的トンネル仕上げ機で伸びますが綿や麻などの繊維は、基本的に伸びません。
トンネル仕上げ機を採用しているクリーニング店では、トンネル仕上げ機から出てきた衣類を、人の手でシワなどがないかチェックし、シワがある場合は、プレスをやり直して出荷しているクリーニング工場もあり、この工程を多くするほど、品質は上がりは、よくなりますがコストが高くつきます。
仕上げの基準(手直しを行う基準)は、クリーニング会社によってさまざまです。
【その他の仕上げ機】
衣類を人の手で、プレスする仕上げ方法です。 人体プレス機は、人の形をしたプレス機でこれに衣類をかぶせて、内側からスチームや風圧で衣類のシワを伸ばします。 立体的に仕上げるのが特徴です。
パフ仕上げ機は、丸い形のアイロン台のような仕上げ機で、衣類に合わせてさまざまな形のプレス機があり、経験が少なくても、立体的に仕上がります。 |
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写真提供 SHOWA DRY(昭和ドライ) |
【アイロンでの手仕上げ】
職人さんが手仕上げで仕上げる方法です。
袖馬などを使い、全て手仕上げで洋服を立体的に仕上げるには、かなりの技量と経験が必要になります。
一般的に、生産性が低いのが特徴。
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写真提供 SHOWA DRY(昭和ドライ |
一般的にクリーニング工場では、衣類や価格によって上記の仕上げ方法を行っています。
人の手が多くかかる方式が、一般的には高料金のクリーニング店の場合が多く、低料金のクリーニング店は、機械化することによりできるだけ人の手がかからないように工夫しています。
低料金のクリーニング店ほど、生産性(従業員一人当たりの一時間の処理点数)などコスト面に力を入れているからです。
素材別では、仕上げで一番手間暇がかからないのが、ウール(カシミヤ)素材で、ウールのニットやコートなどは、ほとんど手間はかかりません。
逆に手間がかかる素材は、綿の衣類です。
綿のシャツ類、ブラウス、ジャケット、コート類は、ウール素材に比べると仕上げでの手間は、倍〜数十倍くらいの手間がかかります。
仕上げ工程に関して言えば、綿素材のクリーニング料金が割り増し対象ではない分、ウール素材で生産性のバランスを取っているのが一般的です。